目次
はじめに
脱毛サロンの開業では、業務用脱毛器選びが重要です。
なぜならば、どのメーカーも業務用脱毛器を購入すると経営サポートが付いてくるけどサポート内容にばらつきがあるからです。
脱毛サロンは新規開業の中でも比較的初期費用が低く、新規参入する人やエステティシャンから独立する人など、経営初心者の人の比率が圧倒的に多いです。
なので、思い付きで開業すると資金不足や振り上げ不振などのリスクが高まり上手くいかないことも…。
本記事では、これから脱毛サロンを開業したいと思っている人にむけて、開業に向けた具体的な準備の流れと、成功させるためのポイントを説明していきます。
関連記事:失敗しない業務用脱毛器の選び方
開業準備に必要なものは?
開業資金の確保
一般的に脱毛サロンを開業したい場合、最低で200万円は必要と言われています。
脱毛サロンの開業には、脱毛機器の購入・リース、賃貸契約、内装工事、備品の準備、広告・宣伝費、スタッフの給与など様々な費用がかかります。
これらの費用を計画し、開業資金をいくら準備しなければならないのかを考えることが大切です。
全てを自己資金でなかなうのが難しい場合、銀行からの融資、補助金・助成金の活用も検討してみましょう。
また、脱毛サロン開業の為の初期費用で一番お金がかかると言われているのが業務用脱毛器代です。
現金一括購入が難しい場合はローンやリース、レンタルなどで抑えられる場合もあります。
脱毛サロンを開業したい理由
次に大切なことが、「脱毛サロンを開業したい理由」です。
- 脱毛サロンを経営する目的や理念
- ゴールやビジョンの設定
- どんな価値を届けるのか?
これらのことを開業する前に整理してみましょう。
脱毛サロンを経営する目的や理念を明確にすることで、経営の方向性や戦略を具体化することができます。
ゴールやビジョンを設定することで、逆算して目標に向かって行動することができ、適切な戦略と計画立てにより持続的なサロン経営を実現することができます。
また、こちらは目的や理念とほぼ同じですが、脱毛サロンを通じてお客さまにどういった価値、なにを届けたいのか?を考えることも大切です。
経営が上手く行かなくなってくるとどうしても日々の支払いやタスクに追われて「支払いの為の売上を作ること」しか考えられなくなり、脱毛サロンを経営してお客さまに届けたかった価値や自分の本当のやりたかったことを見失ってしまうからです。
事業計画書の作成
事業計画書は、自身の事業の方向性や目標を明確にし、ビジネスの成功に向けた戦略を書くための重要な資料です。
具体的かつ現実的な情報を盛り込みながら、自身のビジネスの独自性や魅力を示すことがポイントです。
以下は事業計画書に書く内容の一例です。
- 開業の目的や動機
- 経営者の略歴、業務内容など
- 提供する脱毛メニューやコース、価格設定、特徴
- 市場動向、競合他社の分析
- 仕入れ先や外注先
- 借り入れ状況
- 資金調達方法と利用用途
- 事業の見通し(売上高や経費・利益、市場の成長性など)
サロンコンセプトの作成
脱毛サロンを開業することになったら、まずはサロンのコンセプトを決めましょう。
競合サロンとの差別化や顧客ニーズに合ったサロンコンセプトを決めることが重要です。
例えば「お肌に優しい自然派のナチュラルビューティサロン」「忙しいビジネスマンに最適な時間効率がよく癒しと美を提供するプライベートメンズ脱毛サロン」など、ターゲット層を明確にし、競合サロンと差別化できるポイントを入れ、どういった価値をお客さまに提供する脱毛サロンなのか?というコンセプトを固めていきましょう。
その他、「7W2H」を元に作成するとより具体的なコンセプトが作成しやすくなりますのでおすすめです。
- When:いつ開業するのか(時期)
- Where:どこで開業するのか(場所)
- Who:誰がやるのか(関係者)
- What:メニュー設定(内容)
- Why:なぜ開業するのか(理由・動機)
- Which:何からやるのか(優先順位と理由)
- Whom:誰に提供するのか(ターゲット)
- How:どのように提供するのか(手順・方法)
- How much/long:どれくらいかかるのか(コスト・期間)
業務用脱毛器選びや備品の選定
脱毛サロン経営初心者ほど業務用脱毛器選びが非常に重要です。
なぜならば、脱毛サロンの経営には、脱毛の知識や技術トレーニング、カウンセリングのスキル、スタッフの育成や採用、集客方法や経営知識など、さまざまな要素が必要になるからです。
どのメーカーも脱毛器を購入すると経営サポートがついてきます。
初めて脱毛サロン経営をする人は何もわからない状態でスタートするのですから、サポートが手厚いメーカーを選ぶと安心です。
分からないことや悩みを相談できる環境を整えることで、より成功に近づくことができるでしょう。
場所の選定
脱毛サロンを開業する場合、「テナントを借りる」「マンションの1室を借りる」「自宅の1部をサロン部屋にする」などがあげられます。
テナントやマンションの1室などを借りて開業を考えている場合は、以下のポイントに着目して場所を選ぶことをおすすめします。
- ターゲット層の商圏に入っているか
- 集客がしやすいか
- コンセプトに合っているか
- 周辺の競合サロン状況
- 費用や賃料
これらの要素を考慮しながら、ターゲット層の年齢層や性別、ライフスタイル適正、アクセスや人通り、コンセプトの適合性、競合状況、費用や賃料などをバランス良く判断して、最適な物件を選ぶことが脱毛サロンの場所選びにおいて重要です。
店舗デザイン
落ち着いた雰囲気と清潔感、プライバシーの確保、スタッフのための効率的な動線、ブランドイメージの反映などの要素を考慮しながら、店舗デザインは決めるといいでしょう。
また、使用するマシンによっては電圧変更が必要で電気工事費用が掛かる場合もありますので確認しておきましょう。
物件の仮押さえから内装工事までを考えると、平均して3か月くらいかかるので、時間に余裕を持って動きましょう。
スタッフ採用
経営に専念して施術をスタッフに任せる場合や最初から複数台のベッドで効率よく施術を行う場合はスタッフの採用が必要です。
直営サロンを運営しているメーカーの場合、自社でエステティシャンの採用や育成を行っているため、スタッフ採用におけるノウハウを持っていることが多いです。
そのため、メーカーに直接相談することで効果的な採用方法や給与、評価方法などを学ぶことができます。
脱毛サロンの成功には優秀なスタッフの存在が欠かせません。
自社で採用や育成に取り組むメーカーのノウハウを活用し、適切な採用方法や給与、評価方法を導入することでサロンの成長を実現することができます。
トレーニング
不慣れな状態で実際のお客さまの施術に入るとトラブルを起こしやすく、スムーズな施術ができない可能性があります。
そのため、メニューが決まったらオープンまでの間施術練習をすることをおすすめします。
また、マシンを使用した施術練習だけでなく脱毛やお肌の知識学習、カウンセリングスキルの習得も大事です。
お客さまの要望や悩みに合わせた的確なアドバイスや提案ができるよう、カウンセリングのトレーニングも行いましょう。
研修や講座、セミナー、学習動画など、メーカーによってトレーニングプログラムは様々ですので、自分に合ったトレーニング方法を選びましょう。
お客さまに信頼され、満足していただけるサロンを目指すために、継続的な学習とトレーニングを行うとよいでしょう。
資格の取得
医療脱毛やニードル脱毛といった方法で脱毛を行う場合は資格が必要ですが、エステ脱毛で使われる光脱毛は国家資格や特別な資格は必要ありません。
そのため、誰でも脱毛サロンを開業することができます。
しかし、脱毛には民間資格は存在しており、例えば一般社団法人日本脱毛安全普及協会の「脱毛士検定」や、一般社団法人日本エステティック振興協議会の「認定美容ライト脱毛」資格制度などがそうです。
資格はなくても脱毛サロンを開業することは可能ですが、自分がお客さまの立場になった時、資格を持っているエステティシャンがいる脱毛サロンと、資格を持っていないエステティシャンがいる脱毛サロンだと、資格を持っているエステティシャンがいる脱毛サロンを選ぶ人が多いのではないでしょうか?
このように、資格は必須ではありませんが、取っておくと集客に有利になることもあります。
また、知識や技術を磨く事でお客さまにとってより価値のあるサービスを提供することができ、顧客満足度UPにもつながるでしょう。
利益を出すサロン経営のポイント
脱毛サロンを開業しても売上や利益が上がらなければ経営は破綻してしまいます。
利益を出すためには以下の3つのポイントに気を付けて経営を行う必要があります。
- 集客とマーケティング戦略
- リピート・契約率を上げる
- スタッフ採用と育成
集客とマーケティング戦略
脱毛サロン経営において、集客とマーケティング戦略は重要です。
なぜならば、市場競争の激化によりターゲット層の獲得やリピートが年々難しくなっているからです。
サロン選びにおいて顧客側の選択肢が多いので、競合サロンに対して優位性を確保しなければいけません。
また、脱毛は複数回施術が必要なビジネスモデルの為、新規の集客だけでなくリピート客を生み出し続けることが経営の安定性につながります。
オンライン広告の活用
Google広告や、SNS広告(Facebook広告、Instagram広告など)、Youtube広告などがあげられます。
年齢や性別、エリアなどターゲットを絞って広告を配信することが可能です。
魅力的な広告のクリエイティブ(画像やキャッチコピー)を作成し、ユーザーの目を引くようにしたり、特典や割引などの付加価値を強調することも有効です。
SNSやウェブサイトの運用
サロンのwebサイトを作ったりSNSのアカウントを作って配信したりなども有効です。
時間や手間はかかりますが、広告のようにお金がかからないため上手く活用すればいい集客ツールになります。
サービスの特徴やCPの内容、施術のビフォーアフターなどを載せたりユーザーとコミュニケーションを取ることも大切です。
また、webサイトを持っている場合は、SEO対策(検索エンジンの最適化)を行い、脱毛に関連するキーワードで上位表示されるようになると集客につながる効果を期待することができます。
イベントやキャンペーンの企画
どんなに素晴らしい技術や知識を持っていたとしても、サロンを知ってもらわなければお客さまがお店に来ることはありません。
その為、集客用のイベントやキャンペーンを用意して新規集客を行うと良いでしょう。
たとえば、定価9,800円の全身脱毛が初回体験0円になるクーポンなど、お客さんが来たいと思うキャンペーンを用意することが大切です。
施術の効果やカウンセリングなどで来店したお客さまの満足度を上げることでリピーターになり、売上が継続的に上がるようになるのです。
オフライン施策の活用
出店エリアが大都市ではない場合はオフライン集客も有効です。
ターゲット層の商圏へのチラシのポスティング、情報誌へ掲載など地域の人々が普段利用するメディアを通して脱毛サロンの情報を発信することが有効です。
また、イベントなどでブースを設けて無料の施術体験を行ったり、顧客とサービスが触れる接点を増やしたりすることもいいでしょう。
リピート・契約率を上げる
脱毛は1回では終わりません。コースの場合は複数回施術のコース契約、都度払いの場合はリピートを獲得し、継続的にサロンに通っていただかなければサロン経営は上手くいきません。
リピート率や契約を上げるために、「お客さま満足度の向上」に取り組みましょう。
施術やカウンセリング、接客、サロンの雰囲気などで高い満足度を感じたお客さまは継続的にサロンに通ってくれるでしょう。
また、通ってくれるだけでなく、口コミや紹介によって新たなお客さまを獲得できる可能性も高まります。
スタッフ育成と採用
サロン開業後、経営を進める中で必ずぶち当たる壁が存在します。
それは、一人で施術を続けていても売り上げが頭打ちになるということです。
脱毛サロンは時間を切り売りして行うビジネスの為、一人でさばける量には限界があります。
そこで、スタッフを雇用することで1度に施術できるベッド数を増やし時間単価の売上をあげたり、現場はスタッフに任せて自分は経営に専念するという思考にたどり着きます。
その時はじめて「雇用形態は?給料は?福利厚生は?」「スタッフを1人前に育てる方法は?」というお悩みに直面します。
ここのお悩みを解決していくことで多店舗展開や事業拡大につながり、安定的に利益を生み出すサロン経営が可能になるのです
ただし、この分野に精通していたりノウハウを持っているメーカーは少ないです。
直営サロンを運営しているメーカーであれば自社でエステティシャンの採用や育成を行っていますので、そういったメーカーからアドバイスをもらうことも有効です。
まとめ
脱毛サロンの開業準備に必要なものと、利益を出すサロン経営のポイントをまとめると以下の通りです。
- 開業準備には脱毛サロンの開業資金の確保が必要で、最低でも200万円程度が必要とされる。
- 開業資金には脱毛機器の購入・リース、賃貸契約、内装工事、備品の準備、広告・宣伝費、スタッフの給与などの費用が含まれる。
- 開業の目的や理念、ゴールやビジョンを明確にし、脱毛サロンを通じて提供する価値を考えることが重要。
- 事業計画書を作成し、開業の目的や動機、経営者の略歴、提供する脱毛メニューやコース、市場動向、資金調達方法などを具体化する。
- サロンのコンセプトを決め、顧客ニーズに合った差別化されたコンセプトを固める。
- 業務用脱毛器はサロンコンセプトに合った性能とメーカーのサポートを重視する。
- 開業場所の選定ではターゲット層の商圏や集客のしやすさ、コンセプトの適合性などを考慮する。
- 店舗デザインは落ち着いた雰囲気や清潔感、プライバシーの確保、ブランドイメージの反映を重視する。
- トレーニングや資格の取得によりスタッフの能力向上を図り、顧客満足度の向上とリピート率の増加を目指す。
- 集客とマーケティング戦略ではオンライン広告やSNS、ウェブサイトの活用、イベントやキャンペーンの企画、オフライン施策の活用が有効。
- リピート・契約率の向上を図るためにお客さま満足度の向上を重視し、口コミや紹介による新規集客を促進する。
- スタッフ育成と採用により、施術量の増加や経営の専念を実現し、利益を生み出すサロン経営を目指す。